こんにちは、むすぺろです。
色を付ける手法で、グリザイユ画法というのをご存知ですか?
油絵の下絵を描く技法の一種で、無彩色(白・黒・グレー)の明暗で描いた絵に後から色を付ける方法です。
今回はペイントツールSAIを使って無彩色で描いた厚塗り絵にグリザイユ画法で着色をしたので、作業工程をまとめてみました。
(※この記事は以前3つにわけて記事にしていたものを1つに統合、リライトしたものです。当時はてぶをつけてくださったりコメントを頂いた記事だったので下書きにしてたまに眺めてますへへへ。)
グリザイユ画法とは?
無彩色(白・黒・グレー)の明暗で陰影をつけ、後から着色していく方法。
オーバーレイや焼き込み、覆い焼きなどの効果レイヤー使います。
詳しいことはこちらのリンク、またはグリザイユ画法で検索してください。
厚塗りとは?
主線を用いず陰影で描いた絵(超ざっくり)
アナログだと塗り重ねをして厚みを出す手法で、デジタルだとリアル調や主線を描かない、筆感が残っている絵などを指します。
この時描いた絵は厚塗りの練習も兼ねているので手際が悪かったりしますが、暖かく見守ってくださいへへ・・・
厚塗りパート
序盤
基本的には暗い色から明るい色を重ねて明暗をつけていこうと思うのでとりあえず思考停止よろしく真っ黒に塗りたくります。
思いついたまま、ババーッと白を置いてみます。若干ホラーですね。
背景どうするか迷ってます。
少しずつ描きこみ・・・
中盤
足とおむつ
左足の方向やべえなと思うんですが、本当にこの向きだったんですよ・・・
子供の体って柔らかいなって・・・(直したらよかった)
おむつの柄
終盤
頭の形どうしようか迷ってます。
マルコメくんみたい。
とりあえず完成・・・?
この後、消しゴムかけるのが面倒だったので各パーツでレイヤーわけしてます。
グリザイユ画法で着色
ではここからレイヤー分けした絵に色をつけていきましょう。
オムツ
- オムツレイヤーの上に新規レイヤー追加
- レイヤーでクリッピング選択
- バケツツールでクリーム色ベタ塗り
- 合成モード:スクリーン
- 不透明度:68%
- 飾りはレイヤー追加、クリッピングでベタ塗り
肌
- 肌レイヤーの上に新規レイヤー追加
- レイヤーでクリッピング選択
- バケツツールでオレンジベタ塗り
- 合成モード:スクリーン
- 不透明度:88%
服
服に関してはどの合成モードを使ってもグレー感があったので、一旦オーバーレイで明るくした後にスクリーンレイヤーを追加して調整しました。
- 服レイヤーの上に新規レイヤー追加(A)
- レイヤーでクリッピング選択
- バケツツールで水色ベタ塗り
- 合成モード:オーバーレイ
- 不透明度:52%
- 飾りはレイヤー追加、クリッピングでベタ塗り
↑これだけだとちょっと暗い。
- A+新規レイヤー追加(B)
- レイヤーでクリッピング選択
- バケツツールで水色ベタ塗り
- 合成モード:スクリーン
- 不透明度:43%
シーツ
シーツの上で寝てたのでシーツを描きこみます。
- シーツレイヤーの上に新規レイヤー追加、クリッピング選択
- バケツツールでクリーム色ベタ塗り
- 合成モード:オーバーレイ
- 不透明度:83%
ついでに服の質感も気になったので描き足し
- B+新規レイヤー追加、クリッピング選択
- 筆ツール:平筆・キャンバス・少し濃いめの水色選択
- 合成モード:陰影
- 不透明度:27%
※肌の色が若干違うのは後から調整したからです
影
- 新規レイヤーに影にしたい部分を黒でベタ塗り&境界をぼかす
- 合成モード:明暗
- 不透明度:28%
そのまま不透明度を下げても影っぽくなりますが、明暗にすることで影の色味が落ち着きます。
完成
夏のお昼寝は日差しが入ってカーテンで出来た影が気持ちいいんですよね。
やってみた感想
グリザイユ画法を練習してみて
思っていたよりグレーよりの色に塗られるんですね。
途中オーバーレイをかけて明るくしてますが、落ち着いた雰囲気を出すならそのままでもよかったかもしれません。
よりリアルよりにする場合は色味の調整しないとですね。
ただ、明暗を先に塗ってるので着色だけなら一瞬で終わりました。
今回はリアル寄りの絵で描いているので時間がかかっていますが、デフォルメされた絵ならもう少し短時間で仕上げることができそうです。
実際に描いてみて楽しかったので、技法にこだわらず良いところを取り入れていけたらいいですね。
余談ですが
今回はSAIを使ってますが、最近の私が使っているソフトはCLIP STUDIO PAINTです。
便利すぎてSAIに戻れる気がしない・・・(っ ◜ω◝ c)
最後までお付き合いくださってありがとうございました。